食品の消費税を、今の8%から1%に引き下げる案が出ています。
毎日の買い物に関わることなので、やはり気になります。食品の値上がりが続く中で、少しでも支払いが減るならありがたい。
でも、実際にはどのくらい変わるのでしょうか。
税率の数字だけでは想像しにくかったので、いつもの買い物に置き換えて考えてみました。
まず、まだ決まった制度ではない
今回の改正案は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、対象となる飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げるというものです。
国税庁の説明では、今後、法案が国会で可決・成立した場合の内容とされています。現時点では「来年から必ず1%になる」と決まったわけではありません。
対象になるのは、基本的に今、8%の税率が適用されている食品や飲料です。持ち帰りのお弁当なども含まれますが、お酒や店内での飲食は対象外で、原則10%のままです。
税抜き1,000円の食品なら、70円の違い
例えば、税抜き価格が1,000円の食品を買うとします。
- 現在の消費税率8%なら、1,080円
- 改正案どおり1%になれば、1,010円
- 差額は70円
同じものを、同じ税抜き価格で買うなら、支払いは70円減ります。
こうして見ると、ずいぶん分かりやすくなりました。
ただ、税率が8%から1%になるので、「食費が7%減る」と思いそうですが、少し違います。
今払っている1,080円に対して、減るのは70円。70円÷1,080円で計算すると、値下がり率は約6.48%です。
税率の差は7ポイント。でも、今の税込価格からの値下がりは約6.48%。家計の見通しを立てるなら、今の支払額から考える方が使いやすそうです。
月7万円なら、約4,500円の負担減
仮に、対象になる食品や飲料に、今、税込みで月7万円使っているとします。
買うものも量も変わらず、税抜き価格もそのままで、減税分がすべて価格に反映されるなら、月の支払いは約6万5,463円になります。
月に約4,537円。12か月なら約5万4,444円の負担減です。
毎月の食費の中で4,500円ほどの違いが出るなら、決して小さくありません。
ただし、ここでいう7万円には、対象外のお酒や外食代は含めません。家計簿の「食費」を丸ごと使って計算すると、効果を大きく見積もってしまうことがあります。
計算するなら、対象食品への現在の税込支出額×7÷108が、税抜き価格と購入量が変わらない場合の負担減の目安です。
それでも、値札が同じだけ下がるとは限らない
ここまでの計算には、「税抜き価格が変わらない」という前提があります。
実際の食品の値段は、税金だけで決まるわけではありません。材料の値段や、人件費、運ぶための費用などが上がれば、税抜き価格も変わります。
例えば、さきほどの食品の税抜き価格が1,000円から1,050円に上がった場合、消費税が1%になっても、支払いは約1,061円です。
今の1,080円よりは安いものの、減るのは約19円。最初に計算した70円ほどの違いにはなりません。
ただ、この場合も「減税の効果がない」とは言えません。同じ税抜き1,050円に8%の税金がかかれば、支払いは1,134円になるからです。
今よりどれだけ安くなったかと、減税がなかった場合よりどれだけ負担が軽くなったかは、別の見方なのですね。
わが家の買い物で見ていきたい
食品を多く買う家庭と、外食をよく利用する家庭では、今回の減税案による効果も違ってきます。税率が下がれば、どの家計にも同じ金額の余裕ができるわけではありません。
だから、ニュースの大きな数字だけでなく、自分の家でよく買うものに置き換えて考えることが大切なのだと思います。
前の記事では、賃上げと値上げが家計の入り口と出口でつながっていることを考えました。今回は、その値札に含まれる税金の話です。
減税案が成立したら、いつものパン、卵、野菜、牛乳がいくらになるのか。買う量や品質を変えずに、支払いがどれくらい変わるのか。
税率が下がったあと、いつもの買い物かごはいくらになるのだろう。
制度の行方を確認しながら、その変化を暮らしの中でも見ていこうと思います。
参考資料
※2026年10月7日時点の改正案に基づく記事です。実施には法案の成立が必要です。金額は税抜き価格や購入量が変わらず、減税分がすべて価格に反映される場合の試算で、端数処理によって差が生じます。年間の金額は12か月適用される場合です。

