家計を支えるお金というと、最初に思い浮かぶのは給与かもしれません。
毎月入ってくる給与は、暮らしを動かす中心的な収入です。
けれども、家計を支えているのは給与だけではありません。
預金から受け取る利息や、保有する株式から受け取る配当も、金額は小さくても家計に加わる収入です。
一度に暮らしを大きく変えるほどの金額ではないかもしれません。
それでも、給与とは別のところから家計へお金が入ってくることには、金額以上の意味があると考えています。
配当や利息は、家計チームの中で大きな仕事を任される主力メンバーではありません。
家計の一部を静かに支えてくれる、小さなメンバーです。
給与とは違う役割を持っている
給与は、働いたことへの対価として受け取る収入です。
一方、配当や利息は、これまでに持っている資産から生まれる収入です。
利息は、預金などにお金を預けることで受け取ります。
配当は、企業が得た利益などを株主へ還元する方法の一つです。
どちらも給与とは異なる仕組みで家計に入ってきます。
ただし、配当は毎回同じ金額が約束されているものではありません。
企業の業績や方針によって、増えることもあれば、減ることや支払われないこともあります。
利息も、預ける金融機関や商品の種類、金利の状況によって変わります。
そのため、配当や利息を給与と同じように考えることはできません。
家計チームの中では、生活を全面的に任せるメンバーではなく、ほかのメンバーを補助する存在として考える方が自然です。
小さな金額にも、引き受けられる仕事がある
配当や利息の金額を見ると、少なく感じることがあります。
1回の買い物にも届かない金額であれば、「これだけでは家計は変わらない」と思うかもしれません。
たしかに、少額の配当や利息だけで、毎月の生活費をまかなうことはできません。
けれども、家計チームのメンバーは、全員が大きな仕事をする必要はありません。
日用品代の一部を支える。
通信費や光熱費の一部を補う。
家族で楽しむためのお金に加える。
再び資産へ戻して、将来受け取るお金を少しずつ育てる。
金額が小さくても、任せられる仕事はあります。
大切なのは、配当や利息だけで暮らそうとすることではありません。
給与以外にも、家計の一部を引き受ける力があると気づくことです。
小さなメンバーを増やすために、土台を崩さない
配当や利息を増やしたいと思うと、より高い利回りの商品に目が向くことがあります。
しかし、受け取れる金額だけを見て判断することはできません。
高い配当が将来も続くとは限りません。
株式には値下がりする可能性があり、配当が減ったり、なくなったりすることもあります。
預金も、種類によってはすぐに使いにくいものや、途中で解約すると条件が変わるものがあります。
小さな家計メンバーを増やすために、家計の土台まで不安定にしてしまっては、本来の目的から離れてしまいます。
急な出費や収入の減少に備える生活防衛資金と、投資へ回すお金は、役割を分けて考える必要があります。「生活防衛資金は、家計チームの土台になる」
まず暮らしを守る土台を置く。
そのうえで、当面使う予定のないお金の一部に、それぞれの家庭に合った役割を持たせる。
配当や利息は、その順番を守りながら育てていくメンバーだと考えています。
受け取ったあとの使い方にも正解はない
配当や利息を受け取ったあと、どう使うかは家庭によって異なります。
生活費の一部として使う方法もあります。
使わずに貯めておく方法もあります。
再び投資へ回し、将来の資産づくりにつなげる方法もあります。
どれか一つが正解というわけではありません。
子育てや住宅購入などで支出が多い時期には、暮らしに使うことが家計の助けになるかもしれません。
将来に向けて資産を育てたい時期には、再投資する選択肢もあります。
家計の状況が変われば、小さなメンバーに任せる仕事も変わります。
受け取ったお金をどう使うかまで考えることが、家計チームの運営です。
資産額だけでなく、働きを記録する
投資や預金を確認するときは、資産の合計額や値動きに目が向きやすくなります。
そこに、1年間に受け取った配当や利息も記録してみると、別の見え方ができます。
今年はいくら受け取ったのか。
何に使ったのか。
使わずに資産へ戻したのか。
前年と比べて、どのように変わったのか。
金額の大きさを競うための記録ではありません。
家計チームの小さなメンバーが、どのような仕事をしているのかを確かめるための記録です。
配当や利息は、毎年同じように増えるとは限りません。
だからこそ、短い期間の結果だけで判断せず、長く観察していきたいと思います。
小さな力が重なると、家計の選択肢になる
家計を支える中心は、これからも給与かもしれません。
生活防衛資金は、もしものときに暮らしを守る土台になります。
固定費の見直しや、家事にかかる時間を減らす工夫も、家計を支える力です。
そこへ配当や利息という小さな収入が加われば、家計を支える柱が一つ増えます。
一人のメンバーにすべてを任せるのではなく、それぞれができる範囲の仕事を引き受ける。
その積み重ねによって、家計は少しずつ折れにくくなります。
配当や利息は、すぐに暮らしを大きく変える存在ではありません。
それでも、給与とは別の場所から家計を支えてくれる、大切な小さなメンバーです。
家計チームメモ
配当や利息は、生活費のすべてを任せる収入ではありません。
金額の大きさだけで評価せず、家計の中でどのような仕事を任せるかを考えます。
暮らしを守る土台を崩さず、小さな力を長く育てていくことが、家計の選択肢を増やすことにつながります。